2020.06.17
封鎖八六日目
Lockdown Day 86 晴れのち雨のち晴れ。
待ちに待ったニュースが今日はありました。特効薬でこそないけれどトランプが有り難がっているマラリア薬なんかよりはずっと効果のある治療薬が発見されたのです。スポーツ紙なら眉に唾つけなきゃいけませんが、ガーディアンとBBCという英国二大信用できる情報源が発表しているので間違いはなさそう。政府も広報でこの朗報を伝えています。
それは大金をかけて開発された新薬や莫大な費用が必要な化学療法ではなく、どこの病院でも普通にストックしているステロイド薬なのだそう。処方箋はいりますが薬局でも買えます。でも、お高いんでしょ? それが600円くらいですって。奥様。お聞きになった? あらー、そんなお値段だとかえって不安になっちゃいますわね。ほほほ。だそうです。
まさに灯台下暗しというか、青い鳥はこんなところにいたんだねえ……的な展開ですが現実って存外そういうものかもしれませんね。ただこれさえ飲めば大丈夫というわけではないし予防薬でもない。新コロをやっつけてくれるわけですらない。そのへんは間違ってはいけません。けれど発病した人にとっては確実に救いの手にはなってくれそう。
気になる効果のほどはというと重篤な状態の患者でも8人に1人が快癒しているのだそうです。酸素呼吸器をつけて死線を彷徨っている患者でも25人に1人はこっち側に帰ってこられるみたい。これを多いと見るか少ないと見るかはそれぞれでしょうが、4万人が死んでいる国ですから、そのうちの5千人が助かるわけで、これはかなりの数字です。 症状がまだ重くない300万人の陽性患者で換算すれば生還確率はもっと上がるでしょうから間違いなくブレイクスルーと申せましょう。Queen の名曲が聴こえてくるぜ。それでなくともフィレディの歌声は病気に効きそうな気がするぜ!
That would really be a breakthrough, oh yeah!
とか鼻歌鳴らしながら、おめでたい気分をデザートにしてみました。ラズベリーのゼリー。こないだ紹介した絶品生クリームを食べる言い訳でもあります(笑)。こっちでは泡だてない生クリームをかけたゼリーは夏の風物詩的なおやつ。日本でいえば心太とか、わらび餅とか食べる感覚かしら。
プリンは玉子がっつりの硬めが好きですが、ゼリーはゆるゆる派なのでジャムなどの空き瓶で拵えます。いかが? 紅白で縁起いいでしょ。大根と人参のお
薬は効かなきゃこまりますが、おまじないは効くか効かないかわかんないようなのがいい。効いても効かなくてもどっちでもいいと思えるみたいのが。
英国の〝そういうおまじない〟で好きなのはコインを拾ったら高いところに置いておくって単純なやつとか。こっちの人たちって小銭を落としてもあまり気にしないんですよ。むしろ厄除けみたいに考えてる人さえいる。エロイカのジェイムズ君みたいなのは実は珍しいのでした。