2020.06.16
封鎖八五日目
Lockdown Day 85 晴れ。
イギリス人って、こんなにショッピング好きだっけ? と仰天するくらい一般商店再開Ⅹデーは英国各地で賑わったようです。郊外型店の客足こそさほど伸びなかったものの住宅地に隣接するショッピングセンターは押すな! 押すな! きのう心配して損したと思うくらい、どこもかしこも行列! 行列!
うちからさほど遠くない下町の安売り衣料大型専門店『Primark』でもビルを一周以上する有様。TVで取材していましたが、まるでバブル当時のブランドブームに沸くラフォーレ原宿バーゲン初日のごとしでした。気持ちは解る。あさましいとは申しますまい。
黒人の集団が血相変えて押しくら饅頭している映像が流れたので、すわまたデモの便乗強奪か? と眉をしかめたらナイキの新商品めあて。きみらほかにせなあかんことあるやろ! と一瞬思いましたが #BLM がもはや黒人だけの問題ではないように、ロックダウンで買い物に飢えていたのも白人だけじゃない。
しかし、ここまでとは……。これは封鎖の反動というだけじゃないんだろうな。ショッピングという行為そのもののスタイルが変化したんでしょう。つまりニューノーマルの時代において「買い物とは並ぶこと也」なのです。闇市時代を思い出す(嘘)。
スーパーにあるものは、いくつかの地元店を回ればみんな調達できるので、いつしか自分たちの中から必要性そのものが薄れてしまった。これもニューノーマルスタイルと申せましょう。よく考えれば10円高い10円安い程度の差額にどうしてあんなに踊らされていたのか不思議な気分ですらあります。
晩ごはんは久々のローストチキン。コロナ禍以前は鶏はスーパーで買う食品でした。今日びはかなり上質の地鶏が手に入るんで「ま、いいか」とルーチンになってたんです。が、やはり餅は餅屋、肉は肉屋。ここ2ヶ月半ローカル探索で発見した鶏は何れも比べもんにならないくらい美味しかった。
ローストチキンは塩して焼いて山椒で喰うのが一番だというのが、どうでもいい儂の見解です。あの独特の脂の風味にマッチするんでしょうかね。引き立て合うというか。ただこっちの鶏って体脂肪分一桁的に痩せてるんですよ。日本で食べられるような焼いてぷりぷり焦がしてパリパリみたいな旨い鶏皮にはついぞお目にかかったことがない。
と、そこで登場願うのが京の名割烹『草喰なかひがし』名物「山椒油」。これをたらーりすると、もう、湧きたつ薫香だけで涎たらーり。これぞ京風口水鶏。ぜひお試しを。個人的にはお醤油は必要ありませんが、ちょっと欲しいなーという人には『かめびし』のフリーズドライ醤油「ソイソルト」がおススメ。
草喰なかひが
京都市左京区浄土寺石橋町32-3
https://www.soujiki-nakahigashi.co.jp/