6月8日
大阪 北新地 バー・エルミタージュ

 大阪とくに北新地のバーは生のフルーツを使ったカクテルを出す店が多い。コンテストで何回も優勝している佐藤章喜さんの「ベッソ」、これまた何回も入賞している池田育世さんの『アルディ」…。それらは90年代に一世を風靡した高村光有さんのパー『〜IST』の流れを汲む店であり、なかでもこの『エルミタージュ』が最右翼かと思う。パーテンダーの田外博一さんもいろんなコンテスト入賞常連だ。
 今日はアメリカンチェリーを使ったカクテルでカルパドスがベース。酒というよりデザートの感覚。1軒目で飲むのとご飯を食べてからと、まったくニュアンスが違ってくるのがフルーツカクテルのおもしろいところ。
 このところ穀物より果実の酒がおいしいと感じるようになってきた。まあウイスキーは普通に飲んでいるが。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅