2月25日
神戸 中山手 一平

 この店は家から歩いて3分。いつも思うが一番近い飲食店のひとつがこのお好み焼き『一平』だというのがラッキー極まりない。
 ミシュランに載ってる2ッ星のフレンチとステーキハウスが近くにある、ということよりも、お好み焼きやうどん、居酒屋が近所、というほうが人生において有利である。
 薄揚げのネギをアテにして瓶ビール、その後タコ豚のモダン焼きと水。それで帰る。
 カネがないというわけではない(それもあるが)。明日があるのだ。つまりいっつも来れるし、家から皿を持っていって持ち帰りもできる。
 『あまから手帖』や『料理通信』には誰も書かんことやけど、そこがアドバンテージ。が、こういうのはわかるに人はわかりすぎるぐらいわかるやろ。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅