2月12日
大阪 千日前 重亭

 大阪ミナミの洋食は「ごっつお」に入るアイテムだと思う。織田作の「あんじょうま、ま、ま、まむしてあるよって、うまい」『自由軒』のカレーは、そこにウスターソースをかけるともっとうまい。これは日本酒に合うのも知っている。
 『重享』はそこから30秒。もうちょっと「ごっつお感」が高くなる。
 ハンバーグがおいしくてそれをよく食べるのだが、一度調子に乗ってWハンバーグステーキ(360g)を頼んだことがある。ふたりで行って「いけるやろ」と、確かカキフライとオムライスと注文してエラいことになったことがある。
 ハンバーグステーキ1.5倍(27Og)というメニューもあるが、今日はおとなしくレギュラーでいっとく。大阪の食ベ物は総じて「あっさり薄味」というような言い方がされるが、濃い味の洋食も大阪らしい味だ。そういえば ずいぶん前に、Meets誌で「ほんとは濃い味、好きなんです。」という特集をしたことがあって、結構売れたと記憶している。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅