7月26日
神戸 北野 ビストロ近藤亭

 「ビストロ」という名称による仏料理の店舗形態はいつのまにか流通しているようだ。
 が本来、街場の店のとらえかたは多分に感覚的なので、「ビストロだから居酒屋だ」「この店はソムリエがいないからレストランではない」などというのもありだ(この『近藤亭』にはソムリエがいる)。
 が、キッシュを食べて、エスカルゴやパテや豚のリエットで、カベルネ・ソーヴィニヨンのロゼというのが、ものすごいピストロな感じがする。そんな気がして今日はそれでいった。
 この店は予約が要る。
 「なんだ、ビストロなのに」というのはそうではなくて、単純に週末などは入れないからだ。「予約できないピストロ」というのがあれば、もっとビストロっぽいのになあ、というのは完全にこちら側の話。いやそれはカフェかブラッセリーやろ、というのも要らん話。五月蝿いなあ。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅