12月8日
大阪 ミナミ 金太郎

 近大の元オリンピック水泳日本代表のアスリートと食べる。監督もされていたことがあって世界中食べ回っているTさんは、大阪にしても何所にしてもうまいものを良く知ってる。というより「エエ店、知ってまんなぁ」という感じなのだ。
 「近大」それも「水泳」というのが、まあなんというか、ミナミの三津寺そしてこの店「金太郎」のチリトリ鍋に合う。単にグルメだけの人とメシを食うていて、何か足らんなあ、というのはそこのところの「感じ」だ。店選びから始まって、そこに行って食べるということは、お互いのパーソナルヒストリーみたいなものの交歓でもある。
 とにかくTさんにこの店に連れて行ってもらうと、「いつもの」みたいな感じで、赤身、ホルモン各種がうまくミックスしていくらでもイケる感じ。この日はラーメンがうますぎてもう1人前注文してしまって最後のご飯(おじや)まで行けずに残念。そのかわりにタン焼きを食うた。「通」な感じ満点で、でヘへ、である。

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江弘毅

編集者・著述家。雑誌ミーツリージョナルを立ち上げ、1993〜2005年編集長を務める。
2006年編集出版集団140B創立。著書「有次と包丁」(新潮社〕、「飲み食い世界一の大阪」(ミシマ社)など多数。毎日新聞連載中の「濃い味、うす味、街のあじ。」の単行本化、140Bから7月15日発売。

江弘毅