2020.07.01
封鎖一〇〇日目
Lockdown Day 100 曇りときどき小雨。
この週末の再オープンに向けて美術館や博物館は天手古舞だそうです。新しい企画展の準備やソーシャル・ディスタンスへの対応なんかもあるでしょうが、昨今の #BLM 運動を受けての常設展示見直しに余念がないようなんです。
みなさんも英国が植民地政策を取っていた頃、とりわけ奴隷売買に関わっていた人物の銅像が怒れる大衆に倒されたり、
わたしはいわば負の遺産であっても、それらに芸術的/美術的価値があるなら廃仏毀釈のような真似をしちゃいけないと考えます。大切なのは、それらを語る言葉であり説明だと思うんですよね。奴隷制度も人種差別も忘れちゃいけない。知識として把握しておく必要がある。ミュージアムはそういった教訓を得るためのチャンスでもあってほしい。
主張に合わないから潰してしまえ! では遺跡を破壊して回っているISILと変わらないじゃないですか。死ね死ね団じゃないですか。
もっとも再開されてもすぐにミュージアムなどに出かける気はわたしにはありません。人ごみが怖いからですが、それ以上に人ごみを作るのに加担したくないからです。封鎖緩和以降一息もつかずにコロナ第二波が襲ってくるのは世界各地で証明されています。
何より恐ろしいのは「もはや人命より経済が大事」なんて感覚が生まれてくるところ。トランプ大統領とかそれを隠さなくなってきてます。
先日、
ロックダウンも100日目。封鎖当初の緊張感はもはやありません。視点を高く持てば世界規模のパンデミックはこれからだと頭では理解しているのに、わたしたちはニューノーマルの元に日常を奪還しつつあります。これは決して悪いことではありません。わたしたちが世界にしてあげられることは僅かです。
よそさんが考えている以上に京都人が大切にしている季節の習慣に「水無月」さんがあります。半年間の厄を払う【夏越の祓】に、氷室の氷を模したお菓子をいただいて残る半年の無事を祈る行事。日本でも京都以外ではあまり一般的でない和菓子なので、こちらではむろん手に入りようがありません。幸い〝なんちゃって〟であれば簡単に作れるので今年も自家製。
祈りを込めて一服。祈りを喰うて一服。